「販売業者・貸与業者のやること」

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厚生労働省は関係団体に対し、補聴器の特性を踏まえた技能者の育成、適切な補聴効果を得られる基準の検討、販売管理者向けの研修におけるフィッティングの重要性に関する研修の実施などを要請しています。
(「補聴器の適正な販売等の徹底について」( 令和06年02月13日 医薬機審発第213007号))
また、誇大広告を禁止しています。これは、補聴器本来の効能効果と認められない表現や、効果を誤認させるおそれのある広告は行わないよう指導しています。
([補聴器の適正広告・表示ガイドライン])
また、他社商品を誹謗するような広告も禁じられています。消費者庁も、補聴器の購入にあたっては専門医への相談、認定補聴器技能者による調整の重要性、認定補聴器専門店などの利用を推奨する注意喚起を行っています。
([補聴器の使用を検討中の皆様、そして、ご家族等の周囲の皆様へ | 消費者庁])

購入者への情報提供の徹底
補聴器販売店協会が医療機器販売業者及び貸与業者に注意している点として、主に以下の内容が挙げられます。

補聴器適正販売ガイドラインの遵守
協会は、会員企業に対し「医療機器業公正競争規約」を遵守し、医療機関や医療関係者による補聴器の採用や選択に不適切な影響を与える可能性のある企業活動を行わないよう求めています。また「補聴器適正販売ガイドライン」等により、購入者へ伝えるべきことがまとめられています。
補聴器フィッティングの手順
音を増幅して聞くことを可能にし、難聴者の生活の質の改善を提供することを目的としています。特に医師の診断を受けていない利用者に対して『禁忌8項目』の確認が必要です。
補聴器販売店の設備
難聴者の聞こえの改善のために適切な補聴器適合(フィッティング)を行うために必要な設備・機器・器具などを整備することが求められます。公益財団法人テクノエイド協会が定める『認定補聴器技能者』の設置が、「認定補聴器専門店における業務運営実態調査の指針」の要件を満たしていることが望ましいとされています 。
品質・衛生管理
補聴器は直接耳に装着する機器であり、販売やサービス時に顧客の耳に触れるため、品質管理や衛生管理を適切に行う必要があります。

医療機器業公正競争規約の遵守
協会は、会員企業に対し「医療機器業公正競争規約」を遵守し、医療機関や医療関係者による補聴器の採用や選択に不適切な影響を与える可能性のある企業活動を行わないよう求めています(補聴器製造販売業プロモーションコード)。具体的には、金銭類、物品、役務の提供や、学術研究、教育、公衆衛生向上を目的としない支援などを禁じています。

詳細は補聴器販売店協会のwebサイトを参照してください。
https://www.jhida.org/

「販売業者のやること」

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コンタクトレンズの販売業者は、医薬品医療機器等法だけではなく、消費者との契約、広告宣伝の内容、行政や製造販売業者との連携など、関連法規だけではなく業界の一部の役割を責任をもって実施する必要があります。
これらの業務は営業所管理者が理解しているだけでは不完全です。販売を行う従業員や店舗など組織全体で運用できるように、体制を作り、維持しなければいけません。
今回のblogでは、営業所管理者として押さえておかなければならないことに関して、必要な情報を簡潔にまとめています。
皆さんの組織で危険だと思う業務がありましたら、問題点を深く評価・分析してみてください。

購入者への情報提供の徹底
前回のblog記事「販売者が購入者へ伝えること」に記載されている内容を、購入者に対して確実に伝え、理解を促します。
必要に応じて、啓発資材(ポスター、リーフレットなど)を掲示・配布します。

眼科医の処方(指示書など)の確認
原則として、コンタクトレンズを販売する際には、眼科医が発行した処方(指示書など)に基づいて販売します。
処方(指示書など)の内容(レンズの種類、規格、有効期間など)を確認します。
処方(指示書など)がない購入者に対しては、まず眼科医の診察を受けるよう指導します。
購入記録の作成と保管
販売したコンタクトレンズの種類、度数、数量、販売日、購入者の氏名、連絡先、処方(指示書など)を発行した医療機関名などを記録し、適切に保管します。
従業者への教育研修の実施
コンタクトレンズの適正使用に関する知識、関連法規、情報提供の方法などについて、従業者に対して定期的に教育研修を実施し、資質の向上を図ります。
苦情・相談への対応
購入者からの苦情や相談に対して、適切かつ迅速に対応できる体制を整備します。
必要に応じて、製造販売業者や医療機関と連携します。
行政機関への協力
厚生労働省や都道府県などの行政機関が行う指導や調査に協力します。
コンタクトレンズによる健康被害が発生した場合には、速やかに報告します。
誇大広告の禁止
コンタクトレンズの安全性や効果について、事実に反する、または誤解を招くような広告を行ってはいけません。
適正な管理体制の構築
コンタクトレンズの品質、有効性、安全性を確保するために、店舗における適切な管理体制(保管状況、在庫管理など)を構築します。
リコールなどへの対応
製造販売業者からリコールなどの情報があった場合は、速やかに該当製品の販売を中止し、購入者への情報提供や回収に協力します。

これらの義務を果たすことで、販売業者はコンタクトレンズの安全な流通と使用に貢献することが求められています。

「購入者へ伝えること」

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コンタクトレンズを購入する消費者は、そもそも医療機器であるという認識がない場合があります。さらに年齢によっては医療機器という物自体を知らない若年者も多くいます。医療機器を販売する場合、消費者の状況に合わせて情報を伝えるだけではなく、伝えた情報が理解されているか。医療機器の適正な取り扱いができるように伝わっているか。これらが確認できて初めて『情報が伝わった』ことになります。
法令で定められた文書を見せただけでは伝わることはありません。消費者は『コンタクトレンズを購入する』という行為に没頭しています。コンタクトレンズの使用によって、自分自身に危険が及ぶとは考えずらいのです。
この点を踏まえて次の内容を相手が理解できるように、わかりやすく消費者に伝えてください。

具体的に伝えるべき内容

コンタクトレンズは高度管理医療機器であること: 適切に使用しないと目に重大な障害を引き起こす可能性があることを明確に伝えます。

眼科医の検査・処方の必要性:コンタクトレンズの購入前には、必ず眼科医の検査を受け、処方(指示書など)に基づいて購入する必要があることを説明します。自己判断で種類や度数を変更しないよう指導します。
定期的な眼科医の検査(一般的には3ヶ月に1度程度、眼科医の指示に従う)を受けることの重要性を強調します。自覚症状がなくても、目の状態を確認するために必要であることを伝えます。

添付文書の確認と遵守
コンタクトレンズの製品には必ず添付文書(取扱説明書)がついており、使用方法、ケア方法、装用時間、交換時期などが記載されています。これをよく読み、必ず守るよう指導します。

正しいレンズケアの方法
レンズの種類に応じた適切なケア用品を使用し、正しい手順(こすり洗い、すすぎ、消毒、保存)を丁寧に行うよう具体的に説明します。
ケア用品の使用方法や交換時期も守るよう指導します。
水道水でのレンズのすすぎや保存は絶対に行わないよう強く注意喚起します。
レンズケースも定期的に洗浄・乾燥させ、定期的に交換することの重要性を伝えます。

装用時間・期間の遵守
眼科医に指示された装用時間を超えて使用しないこと、つけたまま眠らないこと(終日装用が許可されているレンズでも、眼科医の指示に従う)を徹底させます。
レンズの使用期間(ワンデー、2ウィーク、マンスリーなど)を必ず守り、期限が過ぎたレンズは使用しないよう指導します。

異常を感じた場合の対応
目に少しでも異常(痛み、かゆみ、充血、かすみ、異物感、目やにが多いなど)を感じたら、直ちにレンズをはずし、速やかに眼科医の診察を受けるよう指導します。自己判断で市販の目薬などを使用しないよう注意します。
定期的なレンズの交換: 定期交換タイプのレンズは、汚れや傷みがなくても、決められた交換時期に新しいレンズと交換する必要があることを説明します。

他人との貸し借りの禁止
他人のレンズを使用したり、自分のレンズを他人に貸したりしないよう指導します。

化粧品の使用順序
メイクはレンズを装着した後に行い、メイク落としはレンズを外した後に行うよう指導します(製品によって異なる場合があるので添付文書を確認)。
レンズの左右の確認: 左右で度数が異なる場合は、混同しないように注意を促します。
スポーツや水泳時の注意: スポーツの種類や水泳時のゴーグルの使用など、眼科医に相談するよう促します。

災害時の備え
災害時に備えて、予備のレンズやメガネ、ケア用品を準備しておくことの重要性を伝えます。

これらの情報を、購入者が理解しやすいように、口頭だけでなく、文書やパンフレットなども活用して分かりやすく説明する必要があります。特に、初めてコンタクトレンズを使用する人や、若年者に対しては、より丁寧な説明が求められます。

「コンタクトの危険性」

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コンタクトレンズは医療機器のクラス分類で高度管理医療機器分類されています。入手の簡易さと、日常的に使う気軽さからは思いつかない方も多くいます。テレビのコマーシャルでも「コンタクトレンズは高度管理医療器です。購入の際は眼科医に相談してください」というフレーズが思い浮かばれます。 この内容からも普段、何気なく使っているものであったとしても人体へ重大な危険を及ぼす可能性があります。検収テキスト・動画の中でも十分に時間を割いているように、販売業者としての役割が重要な医療器です。 では、多くの消費者が日常的に使うコンタクトレンズにどのような危険があるのか、次のセクションで紹介いたします。

1.具体的な危険性

角膜感染症

レンズの汚れや間違ったケア、長時間の連続装用などにより、細菌やアカントアメーバなどが角膜に感染し、激しい目の痛み、充血、視力低下などを引き起こします。最悪の場合、失明に至ることもあります。 角膜潰瘍 角膜に深い傷がつき、強い痛みや視力障害が生じます。感染症が原因となることが多いです。

角膜内皮細胞の減少

角膜の一番内側にある細胞で、角膜の透明性を保つ重要な役割を担っています。酸素不足の状態が続くと減少し、一度減ると再生しません。減少が進むと、将来白内障手術などが受けられなくなる可能性や、水疱性角膜症という重篤な状態になるリスクがあります。

巨大乳頭結膜炎 (GPC)

レンズの汚れなどが原因で、上まぶたの裏側にブツブツ(乳頭)ができるアレルギー性の炎症です。かゆみ、目やに、レンズのずれなどの症状が出ます。

ドライアイ

コンタクトレンズの装用により、涙の蒸発が促進されたり、涙の量が不安定になったりして、目が乾きやすくなります。目の不快感、かすみ、異物感などの症状が出ます。

角膜浸潤

角膜に炎症細胞が集まっている状態で、自覚症状がないこともありますが、悪化すると角膜潰瘍などに進行する可能性があります。

その他のトラブル

レンズの破損による目の傷、レンズの取り扱いミスによる角膜の傷、アレルギー反応など。

2.特に注意が必要なケース
長時間の連続装用やつけたままの就寝: 目に十分な酸素が供給されず、角膜感染症や角膜内皮細胞減少のリスクが高まります。

レンズケアの怠りや不適切な方法: レンズに付着したタンパク質や脂質、微生物などが除去されず、感染症やアレルギーの原因となります。水道水でのすすぎや保存は、アカントアメーバ感染のリスクを高めるため絶対に避けるべきです。

定期検査の未受診: 自覚症状がなくても、目にトラブルが進行している場合があります。定期的な眼科医の検査を受けることで、早期発見・早期治療につながります。

他人とのレンズの貸し借り: 他人の目に合わせて作られたレンズは自分の目に合わないだけでなく、感染症の原因にもなります。

使用期間・交換時期の無視: 使い捨てレンズの使用期間を守らなかったり、定期交換レンズを長期間使用したりすると、レンズの劣化や汚れの蓄積により、目のトラブルのリスクが高まります。

これらの危険性を十分に理解し、コンタクトレンズを正しく取り扱うことが非常に重要です。

「個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)」

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この法律の目的は、法律名称にもあるように個人情報を保護する目的のもと2005年より施行されました。時代背景としてはPL法(1994年)や消費者契約法(2000年)など、消費者を守る法律ができ始めたころは、インターネットや携帯電話などテクノロジーの進化とともに社会経済がグローバル化していました。その後、電子消費者契約法(2001年)、プロバイダ責任制限法(2001年)、迷惑メール防止法(2002年)と立て続けにデジタルに関する規制が制定されました。
このように消費者を企業から保護する法律とデジタルの規制は、より具体的に一般の人々を守ることを目指して『情報の規制』にたどり着いた結果、個人情報訪保護法は社会の変化に合わせて頻繁に改正を繰り返す法律となりました。
近年も国境をまたぐ規制が追加されましたが、これは他国と歩調を合わせる必要があったからです。また規制だけではなく、個人情報の利活用なども追加されています。
このように個人情報の取扱に力を入れているのは日本だけではなく、むしろ諸外国の方が進んでおり、それに日本が歩調を合わせているのが実態です。

個人情報保護法の目的
1.個人情報の定義
個人情報とは、生存する特定の個人を識別することができる情報のことです。氏名や住所だけではなく、指紋やDNAなども対象となります。また、声や歩行の様態など、個人情報と考えづらいものまでも対象となっています。
生存していない個人の情報は個人情報として取り扱われませんが、個人の名誉を棄損するような内容を公開すると別の法令で罰せられることがあります。

2.取扱いの原則
個人情報の取扱いには、利用目的の特定、適正な取得、安全管理などが事業者に求められています。
個人情報とは個人の審査という見方もできるので、価値ある情報として取り扱いには十分な注意が必要となります。

3.個人情報の利用制限
個人情報の利用は、本人が明示的に同意した場合に限られます。ただし、法令に基づく犯罪捜査や、本人が意識不明の状態など、特定の場合は本人の同意が必要ありません。これは、個人情報保護法が施行された後に起こった大規模な事故で、同法の問題で救助が大幅に遅れたことが起因します。
また、本人の同意を得て利用する個人情報は、対象となる組織以外では使用できません。グループ会社や系列会社といった別法人に対して個人情報を提供することはできないのです。

4.罰則等
個人情報を適切に取り扱わなかった場合は罰則があります。罰則は懲役刑、罰金刑があり、改定を経るたびに重くなる傾向があります。

個人情報を漏洩してしまった場合は、漏洩した恐れのある本人と個人情報保護委員会への報告が必要です。罰則を恐れて時間が経ってしまうと被害が拡大し、個人情報保護法だけではなく民事でも損害賠償を受ける恐れもあります。個人情報漏洩の恐れがある場合は、速やかな報告と専門組織の支援を受けることが肝心です。

【通知・告示】 「医薬品医療機器等法との関係」

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法令に関連した連絡の内容には、次のようなものがあります。

通知:特定の法令や規則に基づいて行われる公式の発表です。例えば、新しい法律の施行日や変更点などが通知されます。
告示
:公共の利益のために行われる公式の発表です。例えば、公共施設の利用規則や公共事業の開始通知などが含まれます。
事務連絡
:行政機関や企業内での内部連絡です。例えば、業務手続きの変更や内部規定の改訂などが含まれます。
ガイドライン
:特定の分野における行動指針や基準を示す文書です。例えば、労働安全衛生ガイドラインや環境保護ガイドラインなどがあります。

1.通知の例「コンタクトレンズ」コンタクトレンズの適正使用に関する情報提供等の徹底について(薬生発 0926 第 5 号)(平成 29 年 9 月 26 日)

通知の目的
コンタクトレンズは高度管理医療機器であり、不適切な使用は眼障害を引き起こす可能性があります。この通知は、販売業者が購入者に対して適切な情報提供を行うことで、コンタクトレンズの安全な使用を推進することを目的としています。

販売業者への要請事項
販売業者は、コンタクトレンズの販売に際し、購入者に対して以下の情報提供を徹底するよう求められています。

使用方法等の説明:コンタクトレンズの種類に応じた適切な使用方法、装用時間、ケア方法などを十分に説明すること。
眼科受診の推奨:購入前に眼科を受診し、検査を受けることを強く推奨すること。特に、初めてコンタクトレンズを使用する者や、長期間受診していない者に対しては、受診の必要性を十分に説明すること。
添付文書の確認:添付文書をよく読み、記載されている注意事項を守るように説明すること。
定期検査の重要性:定期的な眼科検査の重要性を説明し、適切な間隔で検査を受けるように推奨すること。
異常時の対応:使用中に異常を感じた場合は、直ちに眼科を受診するように説明すること。

特に強調されている点
この通知では、特に以下の点が強調されています。

未受診者への対応:購入者が医療機関を受診していない場合は、上記の情報提供に加えて、以下の事項を十分に説明し、医療機関を受診するよう勧奨すること。
・コンタクトレンズは高度管理医療機器であること。
・眼科医の指示に従って使用する必要があること。
・不適切な使用は眼障害を引き起こす可能性があること。
情報提供の適切な方法: 情報提供は、口頭説明だけでなく、パンフレットの配布や説明書の添付など、適切な方法で行うこと。

背景
この通知が発出された背景には、コンタクトレンズの使用による眼障害が依然として発生している状況があります。特に、インターネット通販などで容易にコンタクトレンズが購入できるようになったことで、適切な情報提供が不十分なまま使用されているケースが増加していることが懸念されています。

まとめ
この通知は、コンタクトレンズ販売業者に対して、購入者への情報提供を徹底することで、コンタクトレンズの適正使用を促し、眼障害の発生を防止することを目的としています。販売業者は、この通知の内容を十分に理解し、適切な対応を行うことが求められます。

2.通知の例「補聴器」補聴器の適正な販売等の徹底について(医薬機審発0213第7号)(令和6年2月13日)

通知の目的
補聴器は、聴力低下者の生活の質(QOL)向上に役立つ医療機器ですが、不適切な販売や使用は効果が得られないだけでなく、健康被害につながる可能性もあります。この通知は、販売業者に対して適切な対応を求め、補聴器の安全かつ効果的な使用を推進することを目的としています。

販売業者への要請事項
販売業者は、補聴器の販売等に際し、購入者に対して以下の対応を徹底するよう求められています。

医療機関への受診勧奨:加齢や疾患など、聴力低下の原因は様々であり、補聴器の装用が適切でない場合もあります。そのため、補聴器の装用を求める者に対し、必要に応じて医療機関への受診・相談等を勧奨し、医師等の診断・指示を踏まえて販売すること。特に、初めて補聴器を使用する者や、長期間受診していない者に対しては、受診の必要性を十分に説明すること。
適切な情報提供:補聴器の種類、機能、使用方法、メンテナンス方法、費用などについて、購入者が十分に理解できるように説明すること。
聴力測定と調整(フィッティング):購入者の聴力に合わせて適切な補聴器を選定し、調整(フィッティング)を行うこと。フィッティングは、補聴器の効果を最大限に引き出すために非常に重要です。
アフターケア:購入後の相談や調整、メンテナンスなど、アフターケア体制を整え、購入者が安心して補聴器を使用できるようにサポートすること。
添付文書の確認:添付文書をよく読み、記載されている注意事項を守るように説明すること。
異常時の対応:使用中に異常を感じた場合は、直ちに医療機関を受診するように説明すること。

特に強調されている点
この通知では、特に以下の点が強調されています。

医療機関との連携:補聴器の販売にあたっては、医療機関との連携を密にし、必要に応じて情報共有や紹介を行うこと。
フィッティングの重要性:フィッティングが不十分な販売や、医師から補聴器の装用が不要と診断された事例などが報告されていることを踏まえ、適切なフィッティングを行うことの重要性を改めて周知すること。
独立行政法人国民生活センターの情報:独立行政法人国民生活センターから、フィッティングが不十分な販売や医師から補聴器の装用が不要と診断された事案等が報告されていることが示されています。

3.通知類を調べる
厚生労働省
厚生労働省法令等データベースサービス
https://www.mhlw.go.jp/hourei/

PMDA
各種関連通知
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/devices/0039.html

【医薬品医療機器等法施行規則】 「法令の関連性」

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医薬品医療機器等法が主となる法律です。その法律をより具体的な規制内容を内閣府が示したものが医薬品医療機器等法施行令です。しかし、これも内閣府が決めた方針をより明文化したにすぎません。それでは規制対象が旬報状態にあるか、そうではないのかがはっきりしません。法律の規準をより明確にするために管轄する省庁が、法律を運用するための基準を作成したものが医薬品医療機器等法施行規則です。

回りくどい構成ですが、より上位の法律から下位の施行規則にいたるまでに規制内容が構造的に設計されています。

(法令が要求する内容)

1.法令の役割
表のように各法令は次のような特徴を持っています。
①医薬品医療機器等法では、法律の要求を明確にしている。
②医薬品医療機器等法施行令では、方針を明確にしている。
③医薬品医療機器等法施行規則では、具体的な役割と責任を明確にしている。

私たち国民から見ると政府と省庁はひとくくりに見えてしまいます。また、法令とひとくくりにしますが、それぞれの性質や役目があり複雑に構成されているように感じますが、実は明確なレイヤが存在しているのです。

2.法令を管轄する組織
それぞれ制定する組織が違います。法、政令、省令は、その専門性によって規制する内容が異なります。
①医薬品医療機器等法は、国会に法案が提出・審議・可決され成立したものを交付する。
②医薬品医療機器等法施行令は、政府が制定する。
③医薬品医療機器等法施行規則は、厚生労働省が具体的な手続きや基準を決める省令として制定する。

3.他の法令へ活用
ここでは医薬品医療機器等法と医薬品医療機器等法施行令に関連して、医薬品医療機器等法施行規則を役目を話しました。
医療機器を取り扱うためには彼ら以外にも「医療に関する法令」「消費者に関する法令」など、数多くの法令が関係しあっています。
他の法令も同じ構造になっているので皆さんの知りたいことが、法律の要求なのか、方針なのか、具体的な要求なのかで見るべきところが決まってきます。
法令の構造を頭の片隅に置いておくと、何かを調べるときの道しるべになります。

「医薬品医療機器等法施行令」は、日本国内の医薬品・医療機器の製造・修理、販売・貸与、使用に関する規制を定めた政令であり、内閣によって医薬品医療機器等法における基準などの運用を規定するものです。
「医薬品医療機器等法施行規則」は、医薬品医療機器等法施行令をより詳細で具体的な内容を規制した省令であり、厚生労働大臣によって医薬品医療機器等法の実務における具体的な運用手順を規定するものです。

(法令の体系)

1.医薬品医療機器等法施行令の特徴


製造業者の登録: 医薬品・医療機器の製造業者は、厚生労働大臣に登録する必要があります。登録には、製造施設の基準を満たすことが求められます。
製造管理の義務: 製造業者は、製造管理のための管理者を置き、製造過程での品質管理を徹底する必要があります。
品質管理の基準: 医薬品や医療機器の品質管理に関する基準が定められており、製造業者はこれに従うことが求められます。
販売業者の登録: 医薬品や医療機器の販売業者も、厚生労働大臣に登録する必要があります。登録には、販売施設の基準を満たすことが求められます。
販売管理の義務: 販売業者は、販売管理のための管理者を置き、販売過程での品質管理を徹底する必要があります。
製造販売業者の義務: 製造業者と販売業者を管理し、製品の流通において最終的な責任を持つ業者です。
国民(使用者)の義務: 医薬品や医療機器の使用者も、適切な使用方法を守り、使用者の安全を確保する義務があります。

2.医薬品医療機器等法施行規則の特徴と役割


・特徴
実務的な規定: 医薬品医療機器等法施行規則は、医薬品医療機器等法や施行令で定められた抽象的な規制内容を、より具体的な事務手続きや技術的な基準に落とし込む役割を果たします。
詳細な規定: 申請書類の様式、検査方法、記録の保存期間など、医薬品医療機器等法に関する事務手続きの細則が規定されています。
柔軟性: 社会情勢の変化や科学技術の進歩に対応するため、医薬品医療機器等法施行規則は比較的頻繁に改正されます。

・役割
法令の円滑な運用: 医薬品医療機器等法施行規則は、医薬品医療機器等法の運用に必要な詳細なルールを定めることで、法令の円滑な運用を支援します。
国民の保護: 医薬品医療機器等法施行規則は、医薬品・医療機器等の品質、有効性、安全性を確保するための具体的な基準を定めることで、国民の健康を守る役割を果たします。
事業者の遵法意識の向上: 医薬品医療機器等法施行規則は、事業者が医薬品医療機器等法を遵守するための指針となることで、事業者の遵法意識の向上に貢献します。

3.医薬品医療機器等法施行令と施行規則の違い
医薬品医療機器等法施行令と施行規則は、ともに医薬品医療機器等法の規制内容を具体的な基準・手順を明確にしたものではありますが、それぞれの役割と内容には明確な違いがあります。

抽象性と具体性: 医薬品医療機器等法施行令は医薬品医療機器等法よりも具体性は増しますが、医薬品医療機器等法施行規則はさらに詳細な規定を含んでいます。
作成主体: 施行令は政府(内閣)が作成するのに対し、施行規則は厚生労働大臣が作成します。
改正頻度: 施行規則は、施行令よりも頻繁に改正される傾向があります。

(施行令と施行規則の比較表)

【医薬品医療機器等法】「医療機器の取扱いルール」

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医療機器の流通は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称は「医薬品医療機器等法」と呼ばれます)によって規制されています。

法令の体系図

❶ 医薬品医療機器等法施行令(政令) 政令とは、内閣が閣議により決定する命令のことである。
❷ 医薬品医療機器等法施行規則(省令) 省令とは、各省の大臣が制定する命令のことである。
❸ 厚生労働省などからの告示 法律の規定に基づき公示を必要とする事項を広く一般に知らせる行為
❹ 厚生労働省などの各局長、課長名等で出される通知及び事務連絡 法令の解釈や運用等に関連して各機関に出されるもの

1.医療機器の分類


取り扱える医療機器は次の表の通り分類されています。 (注) 医療機器の分類の表現を、一般医療機器は「一般」、管理医療機器は「管理」、高度管理医療機器は「高度」と略すことがある。

表に書かれているように「コンタクトレンズ」は、国際分類が「クラスⅢ」、医薬品医療機器等法においては「高度管理医療機器」として規制を受けます。コンタクトレンズのように『機器』といわれるとイメージしづらいですが、広く実態のある『物』と考えるとよいでしょう。そして、例の中には「クラスⅡ」「管理医療機器」は電気を使うものが多く書かれています。 全ての医療機器は分類されていますが、電気を使うものや人体の重要な器官に装着する物は『規制を受ける』と考えてよいでしょう。

2.医療機器取り扱いの許認可


クラス分類によって許認可が変わります。

医療機器の販売業・貸与業に必要な許認可 ※ 特定保守管理医療機器を除く。

「一般医療機器」以外は行政に許認可が必要となります。取り扱う医療機器に合わせて申請してください。

3.営業所管理者


前項では医療機器を取り扱うための業許可を会社が申請しました。医療機器と取り扱うためには、もう一つの要件として、営業所を安全に運営するための責任者が必要で、それが「営業所管理者」です。

営業所管理者の要件は次の表の通りです。 (*1)特定保守管理医療機器を含み、指定視力補正用レンズ等を除き、プログラム高度管理医療機器を除く。
(*2)電子体温計、男性向け避妊用コンドーム、女性向け避妊用コンドームは当分の間、届出不要。
 (平成17年3月18日厚生労働省告示第82号)
(*3)原則、営業所ごと。
(*4)高度管理医療機器等の販売等に関する業務に1年以上若しくは補聴器、家庭用電気治療器の販売等に関する業務については3年以上の従事経験年数
(*5)高度管理医療機器等(指定視力補正用レンズ等及びプログラム高度管理医療機器を除く)の販売等の従事経験年数
(*6)高度管理医療機器等(指定視力補正用レンズ等を含み、プログラム高度管理医療機器を除く)の販売等の従事経験年数
(*7)高度管理医療機器等(プログラム高度管理医療機器を除く)の販売等に関する業務であれば1年で可。
(*8)高度管理医療機器等営業所管理者は、その営業所以外の場所で、業として営業所の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならないが、法第39条の2第2項の許可を受けたときはこの限りでない。

取り扱う医療機器によって業務要件が違うことや、教育の頻度が違っています。

これらが満たされている状態であれば、医療機器の販売・貸与を業として行うことができます。反対に、これらが満たされない状態では医療機器は取り扱えないので、届出・申請後に変更がある場合は直ちに対処する必要があります。それをしない場合は、違反となり罰則を受けてしまいます。

医療機器 立入検査のチェックポイント「品質管理」

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医療機器 講習係です。

記念すべき第1回目の投稿は、受講者様のアンケート内で情報提供のご希望が多い「立入検査」の「品質管理」についてです。

【品質管理】
 「医療機器の取扱い」 医療機器を取り扱う上で特に注意が必要な行為が「品質管理」です。

1.医療機器の特徴として、プログラムは除く医療機器は、製造または出荷された後は『劣化』する一方です。医療機器を運ぶとき、保管するとき、顧客に渡すとき、医療機器を取り扱うもの達の責任で、医療機器の性能を無くすことなく維持する必要があります。

2.医療機器の流通は、行政による「立入検査」における重要なチェックポイントでもあります。それは、医療機器の安全性を保つための重要な業務であり、サプライチェーン全体における責任でもあります。

3.事業者の役目と立入検査では、どのような事をすればよいのでしょうか。 医薬品医療機器等法で次のように要求されています。
 1.採光や照明や換気が適切であり、かつ、清潔であること
 2.常時居住する場所や不潔な場所から明確に区別されていること
 3.取扱い品目を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること
以上、3つの要求がありますが、全ての目的は医療機器を衛生的に管理することによって、汚染から守ることを主体としています。

【お知らせ】
 令和6年度より医療機器 販売貸与営業所管理者並びに修理責任技術者 継続的研修の受講料を5,500円→4,400円へ改定いたしました。