「購入者へ伝えること」

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コンタクトレンズを購入する消費者は、そもそも医療機器であるという認識がない場合があります。さらに年齢によっては医療機器という物自体を知らない若年者も多くいます。医療機器を販売する場合、消費者の状況に合わせて情報を伝えるだけではなく、伝えた情報が理解されているか。医療機器の適正な取り扱いができるように伝わっているか。これらが確認できて初めて『情報が伝わった』ことになります。
法令で定められた文書を見せただけでは伝わることはありません。消費者は『コンタクトレンズを購入する』という行為に没頭しています。コンタクトレンズの使用によって、自分自身に危険が及ぶとは考えずらいのです。
この点を踏まえて次の内容を相手が理解できるように、わかりやすく消費者に伝えてください。

具体的に伝えるべき内容

コンタクトレンズは高度管理医療機器であること: 適切に使用しないと目に重大な障害を引き起こす可能性があることを明確に伝えます。

眼科医の検査・処方の必要性:コンタクトレンズの購入前には、必ず眼科医の検査を受け、処方(指示書など)に基づいて購入する必要があることを説明します。自己判断で種類や度数を変更しないよう指導します。
定期的な眼科医の検査(一般的には3ヶ月に1度程度、眼科医の指示に従う)を受けることの重要性を強調します。自覚症状がなくても、目の状態を確認するために必要であることを伝えます。

添付文書の確認と遵守
コンタクトレンズの製品には必ず添付文書(取扱説明書)がついており、使用方法、ケア方法、装用時間、交換時期などが記載されています。これをよく読み、必ず守るよう指導します。

正しいレンズケアの方法
レンズの種類に応じた適切なケア用品を使用し、正しい手順(こすり洗い、すすぎ、消毒、保存)を丁寧に行うよう具体的に説明します。
ケア用品の使用方法や交換時期も守るよう指導します。
水道水でのレンズのすすぎや保存は絶対に行わないよう強く注意喚起します。
レンズケースも定期的に洗浄・乾燥させ、定期的に交換することの重要性を伝えます。

装用時間・期間の遵守
眼科医に指示された装用時間を超えて使用しないこと、つけたまま眠らないこと(終日装用が許可されているレンズでも、眼科医の指示に従う)を徹底させます。
レンズの使用期間(ワンデー、2ウィーク、マンスリーなど)を必ず守り、期限が過ぎたレンズは使用しないよう指導します。

異常を感じた場合の対応
目に少しでも異常(痛み、かゆみ、充血、かすみ、異物感、目やにが多いなど)を感じたら、直ちにレンズをはずし、速やかに眼科医の診察を受けるよう指導します。自己判断で市販の目薬などを使用しないよう注意します。
定期的なレンズの交換: 定期交換タイプのレンズは、汚れや傷みがなくても、決められた交換時期に新しいレンズと交換する必要があることを説明します。

他人との貸し借りの禁止
他人のレンズを使用したり、自分のレンズを他人に貸したりしないよう指導します。

化粧品の使用順序
メイクはレンズを装着した後に行い、メイク落としはレンズを外した後に行うよう指導します(製品によって異なる場合があるので添付文書を確認)。
レンズの左右の確認: 左右で度数が異なる場合は、混同しないように注意を促します。
スポーツや水泳時の注意: スポーツの種類や水泳時のゴーグルの使用など、眼科医に相談するよう促します。

災害時の備え
災害時に備えて、予備のレンズやメガネ、ケア用品を準備しておくことの重要性を伝えます。

これらの情報を、購入者が理解しやすいように、口頭だけでなく、文書やパンフレットなども活用して分かりやすく説明する必要があります。特に、初めてコンタクトレンズを使用する人や、若年者に対しては、より丁寧な説明が求められます。